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要求事項 (ISO 9001:2008, JIS Q 9001:2008) |
解 説 |
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4 品質マネジメントシステム 【4.1】一般要求事項 組織は、この規格の要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、維持しなければならない。また、その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善しなければならない。 組織は、次の事項を実施しなければならない。
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※1)要求事項に対する製品の適合性に影響を与えるプロセスをアウトソースすることを組織が決めた場合には、組織はアウトソースしたプロセスに関して管理を確実にしなければならない。これらのアウトソースしたプロセスに適用される管理の方式及び程度は、組織の品質マネジメントシステムの中で定めなければならない。 |
※1)アウトソースしたプロセスの管理として、何をQMSの中で明確にしなければならないかを明確にしている。 ※1)明確にすべき“管理の方式と程度”が、どのような要素を考慮して決定されるべきかを注記3で説明している。 |
【注記1】品質マネジメントシステムに必要となるプロセスには、運営管理活動、資源の提供、製品実現、測定、分析及び改善にかかわるプロセスが含まれる。 【注記2】“アウトソースしたプロセス”とは、組織の品質マネジメントシステムにとって必要であり、その組織が外部に実施させることにしたプロセスである。 |
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【注記3】※2)アウトソースしたプロセスに対する管理を確実にしたとしても、すべての顧客要求事項及び法令・規制要求事項への適合に対する組織の責任が免除されるものではない。アウトソースしたプロセスに適用される管理の方式及び程度は、次のような要因によって影響され得る。
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※2)アウトソースしたプロセスの“管理の方式と程度”を決定する上で考慮すべき重要な要素を3つ挙げている(これだけということではない)。 アウトソースの管理にはリスクマネジメントの考え方を考慮する必要がある。 |
6.2 人的資源 【6.2.1】 一般 |
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※1)製品要求事項への適合に影響がある仕事に従事する要員は、適切な教育、訓練、技能及び経験を判断の根拠として力量がなければならない。 |
※1)「製品要求事項」とは、いわば7.2.1項の要求事項に従って明確にされた要求事項のすべてであり、納期や、場合によっては、コストも製品要求事項になり得る。 “製品要求事項への適合に影響がある仕事に従事する要員”には、間接部門の要員も含まれ得る。 |
【注記】※2)製品要求事項への適合は、品質マネジメントシステム内の作業に従事する要員によって、直接的に又は間接的に影響を受ける可能性がある。 | ※2)“当該QMSの中の要員はすべて6.2.1、6.2.2の対象になる”としているようなもの。6.3項の“支援業務”の例としてITシステムが加えられたことに関連し、組織のITシステムの管理要員などがQMSの中の要員として位置づけられ、必要な力量が明確にされているか、必要な教育・訓練などの処置が行われているか。 |
7.2 顧客関連のプロセス 【7.2.1】 製品に関連する要求事項の明確化 組織は、次の事項を明確にしなければならない。
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※1), ※2) 引渡し後の活動を明確にするための注記により、「引渡し後の活動」に、顧客要求による保証期間内の無償修理や無償交換といった瑕疵担保責任に基づく活動が含まれることは明確である。 |
【7.4.3】 購買製品の検証 組織は、購買製品が、規定した購買要求事項を満たしていることを確実にするために、必要な検査又はその他の活動を定めて、実施しなければならない。 組織又はその顧客が、供給者先で検証を実施することにした場合には、組織は、その検証の要領及び購買製品の※1)リリースの方法を購買情報の中で明確にしなければならない。 |
※1)ISO9000の3.6.13では“リリース”を「プロセスの次の段階に進めることを認めること」であり、7.4.3項の“リリース”は出荷許可のところだけがリリースではなく、中間プロセス及び最終プロセスも該当することになる。 |
【8.2.4】 製品の監視及び測定 組織は、製品要求事項が満たされていることを検証するために、製品の特性を監視し、測定しなければならない。 監視及び測定は、個別製品の実現の計画(7.1参照)に従って、製品実現の適切な段階で実施しなければならない。 合否判定基準への適合の証拠を維持しなければならない。 |
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※1)顧客への引き渡しのための製品のリリースを正式に許可した人を、記録しておかなければならない(4.2.4 参照) | ※1)製品のリリースとは“顧客への引き渡しのため”のリリースである |
個別製品の実現の計画(7.1参照)で決めたことが問題なく完了するまでは、顧客への製品のリリース及びサービスの提供は行ってはならない。ただし、当該の権限をもつ者が承認したとき、及び該当する場合に顧客が承認したときは、この限りではない。 |
要求事項 (ISO 14001:2004, JIS Q14001:2004) |
解 説 |
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【4.1】一般要求事項 組織は、この規格の要求事項に従って、環境マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、維持し、継続的に改善し、※1)どのようにしてこれらの要求事項を満たすかを決定すること。 ※2組織は、その環境マネジメントシステムの適用範囲を定め、文書化すること。 |
※1)どのようにしてこれらの要求事項を満たすかを決定すること。 (1)規格に規定されているすべての要求事項を、組織はどのようにして適合(要求事項を満たす)させるかを決定しなければならない (2)規格には明瞭に示された要求事項もあるが、組織の裁量に任された要求事項も組織は確実にその方法を決めること。 ※2)組織は、その環境マネジメントシステムの適用範囲を定め、文書化すること。 (1)組織の適用範囲が文書化(レイアウト図、組織図など)されているか。 (2)除外している組織がある場合、除外理由が適切か。 (除外組織に対して管理責任が及ばないこと。) (3)同一サイト内に適用範囲外の組織がある場合、インターフェイスは適切か。(契約書、覚書、手順書など) |
【4.3.1】環境側面 組織は次の事項に関わる手順を確立し、実施し、維持すること。 a) 環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で、※1)活動、製品及びサービスについて ※2)組織が管理できる環境側面及び※3)組織が影響を及ぼせる環境側面を特定する。その際には、 ※4)計画された若しくは新規の開発、又は新規の若しくは変更された活動、製品及びサービスも考慮に入れる。 b) 環境に著しい影響を与える又は与える可能性のある側面(すなわち著しい環境側面)を決定する。 組織は、※5)この情報を文書化し、常に最新のものにしておくこと。 組織は、その環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持するうえで、著しい環境側面を確実に※6)考慮に入れること。 |
※1)活動、製品及びサービス (1)適用範囲の活動、製品及びサービスの要素すべてを対象とし、除外することはできない。 (2)サービスは、製品と同等の意味を持ち、組織のプロセスのアウトプットとして提供されるもの。 ※2)組織が管理できる環境側面 (1)4.1項で定めた適用範囲の活動、製品及びサービスに関係する環境側面である。また、適用サイト外に直接管理を行っている部門がある場合、その部門の環境側面も考慮すること。 ※3)組織が影響を及ぼすことができる環境側面を特定する。 (1)日常の活動に伴う環境側面だけでなく、組織が提供する製品やサービスのうち利用時に関係する環境側面また、組織が使用する物品及びサービスの環境側面も特定するこ。 (2)影響を及ぼすことができる環境側面の判断は組織が決める。 a 合理的且つ妥当であること。 b 第三者から見て妥当であること。 ※4)計画された若しくは新規の開発、又は新規の若しくは変更された活動、製品及びサービスも考慮に入れる。 (1)環境側面の変化(設備の新設・増設、原材料の変更、新製品、新規開発、新規事業・ビジネス)が発生したときは、適宜環境側面を抽出評価すること。 ※5)この情報を文書化し、常に最新のものにしておくこと。 (1)活動、製品、サービスに関する情報及び開発に関する情報など全て ※6)考慮に入れる。 (1)何らかの形で立証できること。 |
【4.3.2】法的及びその他の要求事項 組織は次の事項に関わる手順を確立し、実施し、維持すること。 a) 組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し、参照する。 b) ※1)これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する 組織は、その環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持するうえで、これらの適用可能な法的要求事項及びその組織が同意する その他の要求事項を※2)確実に考慮に入れること。 |
※1)これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する。
(1)“法的要求事項及びその他の要求事項”の要求事項を、組織のどの環境側面にどのような運用の仕方をするか明らかにすること。 (2)法的要求事項及びその他の要求事項で努力目標とされているものに対しても“どのように適用するか“を決める。 ※2)確実に考慮に入れる。 (1)何らかの形で立証できること。 |
【4.3.3】コミュニケーション 組織は、環境側面及び環境マネジメントシステムに関して次の事項にかかわる手順を確立し、実施し、維持すること。 a) 組織の種々の階層及び部門間での内部コミュニケーション b) ※1)外部の利害関係者からの関連するコミュニケーションについて※2)受け付け、文書化し、対応する 組織は、※3)著しい環境側面について外部コミュニケーションを行うかどうかを決定し、その決定を文書化すること。外部コミュニケーションを行うと決定した場合は、この外部コミュニケーションの方法を確立し、実施すること。 |
※1)外部の利害関係者からの関連するコミュニケーション (1)地域住民、行政、顧客、供給者などからの苦情、問い合わせ、相談などの双方向の伝達をいう。 ※2)受け付け、文書化し、対応する。 (1)苦情、問い合わせ、相談などの双方向の伝達を行い記録する。 ※3)著しい環境側面について外部コミュニケーションを行うかどうかを決定し、その決定を文書化すること。 (1)著しい環境側面に関する情報を外部へ公表又は通知あるいは報告するか否について決定し、記録する。 (2)公表、通知、報告についての採否は、ここに至った判断の根拠、経緯、決定事項を文書化する。 (3)著しい環境側面の他にあれば含める。 |
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